窓をあけておく

窓を開けておくと妻にすぐ閉められます。

担任

この3月で2年続けて担当したクラスの担任も引き継ぎ。勤務校では3年生からは専門学科の先生が担任をされるのが慣例なので、一般科の私の仕事はここまでなのです。

担任の所見の作成や次の担任の先生への引き継ぎなども終わったので、一応これでひと段落。書けること書けないこともあるけれど、一区切りなので少しふりかえっておきます。

 

高専の担任

中学校や高校の担任をしたことがないので分からない部分もあるけれど、高専の担任は中高と比べれば仕事は少ない、と思う。(人によるけど)平日でも「掃除やっといてね」と連絡をして、有休とるし*1。また、教員ごとの自由裁量の幅も大きいように感じて、同じ学年でもそれぞれ先生事にクラス運営の仕方や学生への関わりの濃淡は結構違ったように思う。(もっと教員どうしで連絡をとったほうがよかったなと思うこともある。)

細かく〆切の連絡をしてあげる先生もいれば、放任気味の人もいる(と思う。)。(それは中高も同じか。)

本当は足並みをそろえるべきだけれど、頭髪の染色とかピアスとかに対する指導の程度も担任によってまちまち*2

 

「生徒ではなく学生」

高専は高等教育機関なので年齢は高校1年生と同じでも、「生徒ではなく学生」とはよく言われることで。その言葉をどれくらいの重みで使うかによって、担任の関わり方も変わってくる。学生だから最低限のアナウンスだけしておいて、あとは仮に勉強に遅れが出ても単位を落としても〆切を見落としても学生たちの責任、とも言えるけれど、やはり留年はしてほしくないので低学年のうちは何度も声をかけたりもする。バイトをするには許可が必要、(低学年のうちは)制服は着る。髪を染めたら、ピアスをしたら、声がかかる。そのあたりは高校っぽい。だけど学生という微妙な空間*3。 

 

学生の支援とか合理的配慮とか

もちろん、学生なんだから自己責任という考え方も筋は通っているけれど、生徒だろうと学生だろうと、支援の必要な学生はいる。はっきりと保護者本人からHELPが出ている場合もあるけれど、もっとあいまいなこともある。そういう意味では学生なんだからと決め打ちして放任する前に、就学支援の観点から困っていることはないか見極めたい......と思って2年間担任したけど、うまくできたかはわからない。 ただのおせっかいになっていたかもしれない。

でも、このあたりの「個別の学生の困りごとを理解しようとしてなにが必要な支援か考える」という仕事は、なかなか非常勤時代や常勤でも担任をもたないときには経験できないもので、すごくタフだけれど勉強になったし、自分の関心のある分野なんだということが改めてよくわかりもした。

 

 

自分は丁寧に関わったつもりだけど...

かくいう私は、担任としてはかなり丁寧なほうだったんじゃないかと思う。(それでもおそらく中高と比べればたいしたことはないけど。) 

でも、「いつでも研究室に遊びに来ていいよ」って言ってたけど、結局ほぼだれも来なかった。さみし。

 

今ここで

HRでやること、というのも最低限の学校からの連絡や配布物や提出物のことを除けば特になくて、早く終わるクラスは早く終わるのだけれど、私は妻の実践に倣って「今ここで」をやっていた。

 

 

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A5で配って

 

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こんな感じでまとめる。実質的には学級通信みたいな。

 

妻(国語科教員)の実践の話を聞いていると、毎回たくさん自分の思いのたけを書いてくれる人たちがいて、すごく内容が濃いのだと*4。そう聞いていたので、自分のところの学生さんが書くシンプルな言葉にちょっと寂しさもありつつ。昨年度1年生のころは21回もやった*5

 

学生さんたちにとってはどうなのかな、と思ったいたのだけれど、最後にクラスにとったアンケートでは、

2年間の中で「いま、ここで」などでその時のみんなの悩みや思っていることを知れたのは僕にとってとても良かったです。ありがとうございました。

とのお言葉もいただき、やってよかったと思ったのでした。

 

今年度はやはりコロナ対応

オンデマンド授業の受講と課題の提出をもって、出欠も、単位の合格不合格も決まる、ということでMicrosoft teamsを使っていろいろと。オンラインツールを使うのは好きなほうなので、他の先生よりも早めにコツを掴んだかなとは思っている。そのわりには最後まで提出物の出し忘れの多いクラスではあったけども。

 

オンラインHRとかも比較的楽しくやらせてもらいました。

たとえばこれ。  

残された酸素ボンベ

残された酸素ボンベ

 

ウミガメのスープ」的な水平思考ゲームなのだけれど、内容が科学技術コミュニケーションにまつわるものになっている。オンラインHRで私が出題して、学生さんにはチャットで質問してもらって、最後にせーの!で答えをチャットに書く、というやつ。 

こういうのを考えたりやるのは(私は)楽しい。

 

 

保護者対応

夏には保護者会という名の保護者との個別面談がある。全体会はない。

そこで1年に1度だけ成績のこととか生活のこと、話す保護者がほとんど。*6

でも年に1回だと情報が多すぎてよくわからないまま終わるので、一時的に仕事は増えるけれど、メーリスとか作ってしまって学級通信のようなものをときどき投げておくほうが実は有事の際には保護者とのやりとりがスムーズにいくかもとは思った。

あとは、某先生がやっているみたいに、あえて個別面談ではなくて、保護者を集めての哲学対話にしてしまって、そのあとで個別で懇談したい人は残ってね、くらいもよいかもしれない。保護者はたいてい同じこと(スマホやゲームばっかり、進路どうする、全然親に学校に様子話してくれない)に悩んでいて、でも担任である私には答えようもないことも多くて、保護者どうしで聞き合ったほうがよいことも多いので*7。私も最近親になったばかりだけど、いつかうちのかわいい赤ちゃんについても遭遇する悩みだと思うので一緒に考えたい。次に担任をもつときには検討したいところ。

 

 

うれしかったこと



学生へのアンケートにも

 ・初めての担任でほかの先生がどの程度か存じ上げないのですが、丁寧な対応だったり、研究室にお邪魔しやすかったり、良い担任だったなと思います。
・いろいろな提出物の締め切りや大事なアナウンスを丁寧にやってくださったのでとても助かりました。いろいろな先生が、「おがぢ先生は担任として一番いい先生だ」と言っていたので、来年の担任の先生がどんな人になるのかとても心配です。

 こんなことを書いていただいて、自尊心を高めるためにブログにも書いておく。

「いろいろな先生」が誰かがとても気になる。

 

 

 

春からは

育休。秋の復帰後についても校務分掌からはありがたいことに外していただいている。担任のやりがいはあったけれど、やらなくてよいならそれが一番ではある。

*1:中高でもとれないことはないだろうけどあまり聞かない

*2:過度の染色はダメと規則に書かれているけれど基準は永遠にあいまい。

*3:「君たちは学生なんだから」というこの言い方は学校にとって都合のよい使い方がされているようであまり好きじゃない。

*4:国語の授業中にやり、かつ複数クラスで出されたものから内容的によいものを選んで載せていくから、短いやつとかはそもそも載らないというシステムの妙もある。

*5:今年度は私が少し疲れたのとコロナで登校が長らくなかったためにやっていなかったのだけど、年明けから3回くらいだけやった。

*6:一部は成績不振等で家に電話したりもする。

*7:高専の2年生くらいまでは進路の話もまだないので、個別でわざわざじっくり相談する必要のあることは多くない