なんだか随分あいだが空いてしまった。
忙しかったわけではないのだけれど、ブログ欲(そんなものあるのか)が減退していた。
今年度後半のこと:オンライン課題の難しさ
今話題の授業の動画配信ではなくて、今年度後半は授業後の課題提出を学校が提供するE-learningサービスを使ってやってみた。やったのは主に2つ。
・授業後の感想提出(200字程度)
・授業後の小テスト
教員としては、最初は独自サービス特有の使いづらさに戸惑ったけれど、一度運用し始めれば紙の管理は不要だし、小テストは自動で採点してくれるし、いいこともたくさんあった。
他方で、これはサービスの問題でもあるんだけど、こちらもふだんPCの画面からしかログインしないので、スマホでの使いづらさについては事前に把握せず、導入してしまったのは学生さんたちにとっては大変ストレスであったろうと思う。大変申し訳ない。
さらにいうと、そういうストレスの多い作業を、授業後に、各自で、やっておく、という課題は、ある一定の学生さんたちにとっては取り組むのが大変難しい部類の活動に入る、ことも改めてわかった。(授業中は比較的話を聞いてくれていたり、対話には取り組むけど、こういう課題に取り組めないがゆえに評価点が悪くなってしまう、ということがはっきり現れた。)
次年度も、小テストのオンライン実施は続けたいのだけど、感想提出は紙とオンラインを選べるようにするか(今年度も希望者は紙も可にしていた。)、オンラインのサービスをgoogleフォームやmicrosot formsに切り替えるか、を考えているところ。
コロナウイルス対策で勤務校は...
まず大前提として勤務校(高専)は2月27日(木)の休校要請の対象ではなかったのだけど、やはり高校生と同年齢の学生さんたちを多く抱えるわけで、どんな影響があるかと思って、日々情報を注視している。同時に、文科省の「大学等」への発信の際の「等」にはまさに高専が含まれるので、正確にはその発信を参照すべきなのだけれど、地域の実情としては高校と同様の機能をもってもいるわけで、そのあたり要職につかれている先生方はバランスのとりかたに苦労されているだろうと思う。
今のところ、新年度は政府方針に従って「3密」をなるべく避けるようにしたうえで、通常の日程で授業を開始することになっている。他方で、教員には状況が逼迫したときのために、動画授業ができるように心づもりをしておいてくれ、というお達しもきている。
哲学対話はしてもいいのか問題
そして、哲学対話はこの状況でやってもいいのか問題。
一応、このままなら学校の方針は「授業前中後の換気を実施した上で可能な限りマスクをつけるなどの配慮を行い、授業後の手洗いを徹底する」、そのうえで対話型の授業も必要ならば実施する、ということになると思う。
でも哲学対話って「safety安全性・安心感」が重要だという話がある。
これには身体的、心理的、知的の3種類があって、哲学対話ではルールをしっかり設けることで特にふだんは空気を読んでしまって話せないようなことや質問や反論などもできるようになるという意味で、知的なsafetyが実現するのだ、ということが多い。
でも、その前提である身体的_心理的なsafetyがこの状況で円になって声を出し合うことで脅かされるのではないかという心配はもちろんある。だとしたら無理をせず、ペーパーワークに切り替えることも考えなくちゃいけないでしょう。
とりあえず、いつも初回の授業では40人で円になって毛糸を巻いてコミュニティボールを作るんだけど、それをどうするか、をぼちぼち考えなくちゃいけない。
むしろ、こんなときだからこその哲学対話なのか
そんなことを考えていたら、SNSで知人の先生が以下の日本赤十字社のサイトを紹介して、2つ目と3つ目にはp4c(哲学対話)が効くかも、と指摘なさっていた。
新型コロナウイルスの3つの顔を知ろう!~負のスパイラルを断ち切るために~|トピックス|国内災害救護|活動内容・実績を知る|日本赤十字社
まだ、そういう段階ではない、とも思うけれど、特に私の住んでいるような地域ではまだ感染者が多くないなかで、不安や差別だけが一人歩きしかねない、と思う。「正しく怖れる」という言葉もあるけれど、そのためにも、safetyな空間を設けて、各自がなにを不安に思うかを話し、聞き合うこと、そして落ち着いて一緒に考えること、はきっとどこかのタイミングで重要になってくると思っている。
希望はすばらしき学生さんたち
zoomで哲学対話やってみたいなー、と思っていたら、学生さんのほうから誘ってくれて、その2時間後くらいには数名集まって、やってみれちゃう瞬発力、すき。
— おがぢ⛅ (@ogadi_ogadi) 2020年3月27日