窓をあけておく

窓を開けておくと妻にすぐ閉められます。

最近の授業のこと:事前課題+小テスト+哲学エッセイでやってみる、ほか

(4学期制のうちの)1学期を終えて、学生のみなさんからの講評を書き込んだまま、いつのまにか1ヶ月ブログを放置してしまった。なにが、と1つを要因には挙げられないのだけどなんとなく、やっぱり忙しい。

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先日、哲学対話の教員研修で岡山経由で香川に伺ったとき、瀬戸内海を渡る橋から撮った夕陽。

 

 

ところで、最近の授業のこと。

本校新カリキュラムにおいて(4学期制のうちの)2学期はとても特殊で、移行期の現在は学生のみなさんにも様々ご不便をおかけしているところです。

 

倫理では...

2学期は「学修単位」という単位の考え方を採用する関係もあって、実授業時数を減らし、その代わり授業外で学ぶための課題を提示してやっていただく必要がある。

なので、昨年度やっていた内容をより吟味して、減らして、という作業が必要になった。

結局残ったのは、

①情報社会:『ファクトフルネス』を紹介しつつ、ベーコンのイドラ論にまでつなげる

 

生命倫理:共同研究に混ぜていただき、デザイナベビーと出生前診断にしぼって、解説とワークと哲学対話

 

ジェンダー上野千鶴子東大式辞を資料として配布したうえで、男らしさとか女らしさとか「呪い」じゃん?みたいな話をする

 

④文化と宗教:グローバル化が進むなかで、異質なものといかに共存するか。

 

 

の4テーマ。

各回には事前に資料を渡して読んできてもらい、授業冒頭には前回の内容や事前資料についての小テストを実施。授業は事前資料の学習を前提になるべくシンプルにやってみる。

個人的には、自分が考えたい、気になるテーマだけを取り上げたから、「カリキュラム上仕方なく無意味なものを考えさせている」感はなかったし、1学期にとりあげていたような自由、平等、クリシン、相対主義、、などとつながる部分を再認識できて、興味深かった。

哲学エッセイをやる

それ以外に、2回の授業時数をかけて、フリーテーマでの哲学エッセイを持参してもらい、サイレントダイアログ形式で読み合い、フィードバックをする、ということもしてみた。1回目は400字以上、2回目は600字以上、そして最終提出には1000字以上に膨らませて、自分で立てた問いに対する考えを書いてもらう。

人生で一度くらい、自分自身でじっくりと考えてみたい「問い」についてまとまった文章を書いてもいいではないか!​​

がコンセプト。

まだ最終提出前だけれど、課された以上がんばって書いてくれる人も多くいるようで、授業中の読み合わせでは、サイレントなので静かではあるけれど、じっくり読んだり、熱くペンを走らせてくれているような、そんな気がしている。

 

 

哲学対話もやる。でも、40人での円は諦める。

授業回数が減ったなかでだけど、哲学対話も、何度かチャレンジした。

でも、もう40人で、全員参加の円を、という試みは、学生もこちらもすり減ることのほうが大きい気がしてやらなくなった。その代わりに、半分が対話、半分が観察の金魚鉢対話や、そもそも対話に参加せず、自分一人でお題について考えても良いということにして、選択肢を用意する。

 

p4c-essay.hatenadiary.jp

 

 

こんな感じの授業。準備がバタバタとしていたり、初めてのところも多くて学生さんにはご迷惑もおかけした。うまくいっていたのかどうかは、学生さんたちからの評価を待たなくてはいけない。

 

 

「プロジェクト学習」を担当する

もう一つ、2学期の私の重要な仕事は、本年度から始まる「プロジェクト学習」。10名の学生さんと90分30回(!)分をご一緒して、なにか(!)をしなくてはならない。

本格的には来週からスタート。お互い、不安もあるけれど、 生まれてからほとんどを学校で教育を受けて過ごしている学生さんたちと、一つでも多くの当たり前を問い直せたらいいなと思います。


 
放課後哲学対話

授業外に有志で行う哲学対話の会も細々と。

昨年度からの継続で、関心をもつ人たちが集まってゆるりとしたサークルっぽくなりつつあってとてもうれしい。

 

この会のあとには、 学生のみなさんのあいだではLINEグループが作られ、日夜LINEでも哲学対話がなされている、、、らしい?

うれしいかぎりです。