窓をあけておく

窓を開けておくと妻にすぐ閉められます。

「p4cかたろうかい2018」に行きました

週末は出張。#哲プラのおまつりでした。わたしは土曜日は神戸、日曜日は東京へ。

 

久しぶりにお会いできた方々、初めてお会いした方々、山口に離れてもいつもどおり頻繁に会っている方々、お会いできなかった方々、いっぱいいます。みなさん、ありがとうございます。

 

8月25日はp4cかたろうかい2018へ

会場は神戸大附属中等教育学校。おととしくらいに、p4c*1の授業を見に行かせていただいて以来2度目の訪問。かつ、実は学校のある地域は私が生まれてから小学1年生くらいまでを過ごしたまさにそのエリアでもあり、感慨もある*2

そんななか昼過ぎに、御影駅でムラセさん、ツチヤさんという両先輩方をお待たせする遅刻をやらかしつつ、会場へ。

 

 

今回はポスター発表、前後半合わせて18名くらい、それ以外に最後の全体での質疑のセッションのゲストとして3名の方がいらっしゃる、という会。事前に話を聞いている感じだと告知に苦戦しているようだったので、ほとんど発表者だけでこじんまりと回すのかなあと思っていたら、全体では40人以上いるような感じで、大変盛況。楽しかった。

 

わたしも発表しました

タイトルは"「高専てつがく」の試みの中間報告"。

このブログで日々書いていることをまとめつつ、4月からどんなことに取り組んでいるか、そしてどんなことに悩んでいるかを報告しました。

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ポスターを作りました。味気ないけど、がんばって作ったは作ったので、もらって帰りました。しばらく勤務校の研究室前に貼っておこうと思っています。

 

そんなに人気のある発表ではなかったけれど、悩みを聞いてアドバイスをしてもらえて、気づきも多かった。

あと、他高専の先生で、私ともう一つの高専教育関係の発表があることを知ってわざわざ足を運んでくださった方とお話ができたのが、とてもうれしかった。

 

「あなたはなにをやっているときが楽しいの?」

私の発表のさいに、いただいた質問。

授業の中で哲学対話をしたい、と思って、それ以外にもこんなことやあんなことを伝えたい、身につけて欲しいと思って、授業を進めていると、頭がごちゃごちゃになってきて、迷っている、という発表だったのだけど、上のように質問されるとハッとする。

 

40人で円になって哲学対話をする、というのは、もちろんそう簡単に捨てたくない大事なチャレンジだと思っているけれど、それをやっているとき自分が楽しめているか、と思い返すと、楽しいというよりはやっぱり大変な感じが大きい。

 

それよりも、「てつがくおしゃべりカード」を使ってみんなで遊んだりしているほうが楽しい。

 

もう一つ、「あなたの授業は(いつのまにか)あなたが考えさせたいものばかりで、学生たちが考えたい関心から出発していないのでは?」というコメントもガツンときた。それなりに哲学対話の実践にも取り組んできて、教員ではなく、授業を受ける人たちの側の関心から始めるのが大切、というのは人にも言ってきたし、自分もそうしているつもりだったのに。。でも、言われて、やっぱりそういうところがあると思った。シラバス作るし、やっぱり授業だから、教える内容を念頭に置いているから、方法が哲学対話でも、今やっているのは私がやりたいことを学生に考えさせる授業だった。

 

自分と学生が教室で、自分らしくいられたり、ほんとに考えたいことを考えらえたり、楽しいと思えることはなんだろう、ってちゃんと考えてみなくちゃいけないなって思いました。

 

ほかの方の発表

全部は聞けなかったのだけれど、

女子校で女子の集まり特有の「サイレントマジョリティー」を打破するために、一人でp4cをはじめ、それを学年全体の実践に広げられた先生のお話、

私立や国立ではなくて多くの学校(一般校)の社会科の授業でp4cを取り入れていくためには、どうしたらよいのかを考え、毎回10分程度のミニ対話に取り組まれているお話、

小学校の図工とp4cの親和性を感じ、p4cと呼ばずに、でも図工のなかでそのマインドを取り入れて実践している先生のお話(とその授業を受けてこどもたちが「図工とは〇〇だ!」と書いたもの)

小学校でp4cをやっていくなかで、p4cについてのイメージを一枚の絵にしてみた小学生たちの絵

などを見せてもらって、どれもなんというかとても豊かで、創意工夫があって、それぞれの場所でそれぞれの取り組みがあって、とてもよかった。

 

私は聞けなかったけれど、学校外でのこども哲学の場に普段参加している小学生の人も発表者としていたし、会場校の生徒さんお二人もそれぞれポスターを作って発表されていて、とてもすごいことだった。

 

最後のふりかえり

ポスター発表後、みんなで輪になって感想や質問をシェアしながら、話し、考える。

ツチヤさんはいつもどおりだったけれど、あとお二方のゲストの質問者のお話を聞けたのもよかった。書いたものを呼んではいたけれど、話すのを聞くのはほとんど初めてだったはず。

主に、「哲学」という言葉の敷居の高さ、が問題になっていた。

これは翌日の哲学プラクティス学会でも問題になっていたのだと思うけれど、どういうことなんだろうなあ。

もう一つ、いつも東京で集まりに出ていたとき以上に感じたのは、だれかの発言やふるまいに対してその場で笑いが起きるということ。あるいは、すごく強制的な感じではなく、周りのまだ手を挙げているわけではないだれかにボールを回して発言を促す、ということが起きること。関西っぽい、という言葉で片付けるのはいやだけれど、そういう新鮮さもおもしろかったのでした*3

 

居酒屋新幹線は楽しい

終了後は懇親会を泣く泣くお断りして東京へ移動。翌日に備えるのでした。

 

 

日曜日のことはまたあとで書きます。

とりあえず以上!

 

*1:Philosophy for childrenの略。いつもこのブログでは「哲学対話」と呼んでいるものを基本的には指す。特にpが小文字なのは、ハワイでの実践者たちがアカデミックなスタイルの哲学=大文字のPhilosophy」と区別して、自分たちの日常の関心から出発するてつがくを小文字のphiloophyと呼んだことに由来する、はず。

*2:でも、人に出身は?と聞かれると、なんだかめんどくさくて、「東京です!」と言っています。

*3:だれかが「笑われている」んじゃなくてみんなでその場で起きたことを「笑っている」んだなあ。