2月、3月あたりで手に取った本などの備忘録
数が少ない。。でもこれでも授業期間と比べたらマシなほう。
読書の時間、確保しなくてはいけない。
ジェンダーのこと
妻がSNS等で知って、買っていた本。とても力のある本で、どれだけ日常に、当たり前に、ちょっとした言説に、女性を抑圧し、閉じ込める構造があるか、がフィクションの文体で示されている。多分、読む人によって、引っかかるところ(=これがまさに問題なんだと思うところ)が違うと思う。それに、自分は読み飛ばしているところにも、実は差別や抑圧があったかもしれない。
先日の韓国出張でこの本の話をしてみたら、当然?、男性の先生たちもご存知のようだった。韓国は女性の進出、みたいなのは遅れているとおっしゃっていたと思う。
学校でのハラスメント
学校ハラスメント 暴力・セクハラ・部活動ーなぜ教育は「行き過ぎる」か (朝日新書)
- 作者: 内田良
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2019/03/13
- メディア: 新書
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新年度を前に。
具体的な事例について勉強になる。「教育は良いもの」という前提によって覆い隠されるものがたくさんある、という指摘も納得。自分の専門や関心から言えば、事例もそうなのだけど、この前提の話をもっと考えてみたいところ。
この本で紹介されていて買ったのが↓
スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか (幻冬舎文庫)
- 作者: 池谷孝司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/04/11
- メディア: 文庫
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実際の加害者、被害者への取材をもとに作られたルポなので、なかなか重たい。
どう言及したらよいのかわからないけれど、これも教育という権力構造の関係性に要因がある以上、自分や自分の周りと無関係だとは考えていられない。
学校という異空間が事件を生み、隠蔽し、被害者を追い込んでいる。
今、教員として学校にいる自分が、「学校という異空間」の維持、強化に手を貸していないか、考えなくちゃいけない。
学校での哲学対話
新教科「てつがく」の挑戦: “考え議論する”道徳教育への提言
- 作者: お茶の水女子大学附属小学校,お茶の水女子大附属小=,お茶の水児童教育研究会
- 出版社/メーカー: 東洋館出版社
- 発売日: 2019/03/02
- メディア: 単行本
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上の流れからすると、 新教科「てつがく」の構想は、「学校という異空間」に対するチャレンジだ、というようにも映る。先生方が試行錯誤されながら取り組んでくださっていたことがよくわかる良質な本。「哲学対話」といっても、一つの型なんてないんです。いいんです、それで。
<われわれ>と<彼/彼女ら>
この本は個人的には当たり。タイトルにひかれて買って、中身が「国際教育開発」 をテーマにしたものだと知りちょっとがっかりし、けれど序文を読み始めて、そのまま数日で読破した。
様々な教育活動のなかでも、(「先進国」と「途上国」の格差に起因する)非対称性が強調されやすいテーマを取り上げて、<われわれ>が<彼/彼女ら>を教育することができるのか、できるとすればそれはいったいいかにしてなのかを問おうとするもの。
結果的に一冊を通して、研究者であり、語る側であり、援助をする側である<われわれ>の資格を問い続けることになっている。積極的な答えよりも、現在進行中の政策に対して理論の側から、立ち止まること、問うこと、逡巡することを求めていく姿勢も納得。
<われわれ>は教育のあり方を恣意的に選択することができる。<われわれ>はそうすることのできる位置を占めている。それゆえに<われわれ>に求められているのは、そして国際教育開発に求められるのは、ありえたかもしれない教育のあり方をありえなくさせていることへの後ろめたさであり、教育への躊躇であり、教育への逡巡である。<彼/彼女ら>のもとを立ち去ることもできる<われわれ>は、<彼/彼女ら>への教育を前に、いったん立ち止まらなければならない。
すべてが同じ構造とまでは言えないけれど、自分自身が教室で哲学対話を行うときにも、どのような資格で、わたしは彼/彼女らに哲学を教えることができるのか、と問うことに対する対抗的な示唆をたくさんもらったと思っている。
同じ著者が分担執筆しているこの本も購入。まだ全部は読めていない。
余談めくかれど、この本の著者の一人の畑康裕さんを通して、こういう学校および事件(?)があったことを知った。不勉強である。
エッセイ
妻に勧めてもらった。今読んでいるところ。
もう一冊、より有名なタイトルの本がある方のエッセイ。
ブログ、好きで読んでいました。
<俺の前を通り過ぎていった女たち>的な、モラルとか道徳とかとはかけ離れた、でも血の通った、エッセイ。
これは高専の図書館にあったらしく、びっくり。