高専てつがく+α(仮)

「こどもの哲学」(P4C)とそれにまつわるものたちでテキストを書こう。みんなで書こう。これからは日々のことも綴ってみようと思います。

小学校で海について哲学対話

呉へ

 

広島県呉市の島にある小学校で、哲学対話の授業をさせていただきました。

 

前回8月は教員研修で、哲学対話についてお話し、先生方と実際にやってみる、というお仕事。それはそれで緊張したけれど、今回は今回とて、久しぶりの出張授業ということもあり結構緊張して伺いました。

 

かつ、普段の授業もそうなのだけれど、なんとなく予定していた流れがありつつ、当日教室に入って雰囲気や子どもたちとのやりとりを踏まえて、がんがん展開を変えてしまう。

 

今回も予定から大幅にずれたので、自分自身の備忘録もかねて、予定と実際がどれくらい変わったのかをメモします。

 

f:id:p4c-essay:20180913105337j:plain

(島から見た海。写真を撮るのがへたくそすぎて。もっと実際はステキでした)

予定 

4校時 10:50~11:35 哲学対話ってなあに?

・こども哲学の映像を見せる

https://www.youtube.com/watch?v=0b222t_8P34

みんなで考えるのうた

http://www.nhk.or.jp/sougou/q/?das_id=D0005180285_00000

Qワードおぼえうた

http://www.nhk.or.jp/sougou/q/?das_id=D0005180286_00000

 

・こども哲学のルールの確認

こどもてつがくのルール
1. 人の話は最後まで聞く      コミュニティボールを使おう
2. 人が考えているときは待つ
3. 人のいやがることをしない    思ったことを自由に話そう 
4. 意見は変わってもいい      おとなも正解を知らないんだよ
5. 答えはわからなくなってもいい   

・海って○○だ

海洋教育をしてみてどんなことを感じた?

黒板に○○に当てはまる言葉を書いてみよう。

→それを発表しよう

 

・Qワードを使って質問しあってみる。

黒板に書かれているもののなかで気になるものを取り上げて、質問してみる。

 

(もし海について、のテーマではなかったら...)

なんで勉強しなきゃいけないの?

お金で本当に幸せになれる?

死んだらどうなるの?

うそはいつでもついちゃいけない?

 

・海について問いを立てる

海洋教育で体験したことをもとに疑問を考える

白紙に大きく疑問を記入



5校時 11:40~12:25 哲学対話

【テーマ:海について(海洋教育で体験したことをもとに)】             

・問いを発表する

・問いを一つにしぼる

・自分の考えを紙に書く

・対話する

・自分の対話後の考えを書く

 

 こんな感じの予定を立てていたのだけれど、まず出かける直前に慌ててカバンに「てつがくおしゃべりカード」を突っ込む。そして、教室に行く直前にもそもそとカバンから取り出して、眺め、ポケットに突っ込む、みたいなことをします。なにかあったときのお守り気分。

 

てつがくおしゃべりカード (哲学カード)

てつがくおしゃべりカード (哲学カード)

 

 

実際

太字が予定にはなかった動き。 

4校時 10:50~11:35 哲学対話ってなあに?

・あいさつと自己紹介「おがぢ」って呼んでください。

・こども哲学の映像を見せる

https://www.youtube.com/watch?v=0b222t_8P34

みんなで考えるのうた 

http://www.nhk.or.jp/sougou/q/?das_id=D0005180285_00000

Qワードおぼえうた 

http://www.nhk.or.jp/sougou/q/?das_id=D0005180286_00000  

事前に上記URL一個目のものだけパソコンに取り込んでくださるようお願いしていた。でも手違いで、パソコンに入っていたのは短いバージョンではなく、おとなの実践者向けのやり方説明版のロングバージョンだった。それを細切れで見せつつ、軽く紹介。

そのあと、「映像を見て、ふだんの授業と違うところはあったかな?」と聞いてみる。「イスだけで丸くなっている」「疑問を子どもが出している」「毛糸のボールを使っている」など。

ここまでは机で前を向いていたのだけれど、イスだけで丸くなるように移動。

 

・丸くなって「なんでもバスケット」で遊ぶ

→こども哲学の簡単な説明

 →てつがくおしゃべりカードを使って「てつがくバスケット」(?)を、SNSで友人知人がやっていたのをまねてやってみる。

 カードにあった問い「おばあちゃんが間違っていたら注意してあげてもいい?」で少しだけおしゃべり。



・海って○○だ

海洋教育をしてみてどんなことを感じた?黒板に○○に当てはまる言葉を書いてみよう。

「海について思い浮かべるとどんな気持ち、感じがする?怖い?うれしい?ワクワクする?一分で考えて教えて!」

こども哲学のルールの確認
1. 人の話は最後まで聞く      
2. 人が考えているときは待つ
3. 人のいやがることをしない     
4. 意見は変わってもいい      
5. 答えはわからなくなってもいい   

 

→海についての「感じ」を発表しよう

 

→Qワード*1

を使って質問しあってみる。黒板に書かれているもののなかで気になるものを取り上げて、質問してみる。 (もし海について、のテーマではなかったら...)なんで勉強しなきゃいけないの?お金で本当に幸せになれる?死んだらどうなるの?うそはいつでもついちゃいけない? 

海ってこわいという子も

海って楽しい、ワクワクするという子も

(ちなみに、全員には発言してもらわず、挙手でここまで進めた)

 

・海について問いを立てる

海洋教育で体験したことをもとに疑問を考える白紙に大きく疑問を記入

問いを出すときの観点を提示

どんな「ぎもん」・「ふしぎ」がいいの?
 おとなも答えを知らないもの
 学校では習わなそうなもの
 調べてもわからなそうなもの
 ずーっと考えても楽しそうなもの

 

5校時 11:40~12:25 哲学対話【テーマ:海について(海洋教育で体験したことをもとに)】           

・問いを発表する

 11人全員が問いと「なぜその問いが気になったか」を話す。

・問いを一つにしぼる

「問いを出すときの観点」をもとに、主に調べたらわかりそうなものがあるかどうか意見交換

→それらを踏まえて(調べて分かりそうだと指摘されたものも排除はせずに)「今みんなで考えたいもの」をせーので指指す

 →「海はなぜ広いのか」との決選投票を経て問いは「海はなくてもいいのではないか」に。

 

・自分の考えを紙に書く

・対話する

20分くらい。

・自分の対話後の考えを書く

 

以上。大きく変えたというか、そもそもその場で考えるつもりだったことしては、ウォーミングアップの遊び方や始め方がある。

あとは、問いが決まったらワークシートに自分の考えを書いてもらって、それを発表してもらおうかなと思っていたのだけど、思いのほか時間が押したので、それをやめたのは大きな予定変更かもしれない。*2

 

今回よかったのは時間を二コマ分いただいたこと。

しかも一コマ目はそもそもの依頼の時点で「ウォーミングアップに使う」ということが宣言されていたこと。二コマ枠をいただいても、たっぷり対話の時間をとりたくなって、一コマ目からわりと焦って始めることも多かったのだけど、今回はウォーミングアップと割り切って、この時間の終わりに問いを考え始めるところまでいけばよい、という心づもりでゆっくり始めることができた。そのことが自分にとっても居心地がよかった。

 
もっと小学校に滞在させてもらえばよかった

往復もろもろで6時間くらいかかるところだったので、先方に気を使っていただいて、終了後は給食をいただいたあと、すぐに新幹線駅まで送っていただくスケジュールだった。でも、ちょっとおしゃべりした流れから一時間くらいかけて島の観光案内をしていただいてしまった。これはこれでとても興味深く、また島にも、小学校にも来たい、という気持ちを強くした。

f:id:p4c-essay:20180913105235j:plain

(観光で見たレトロなおもちゃなどが展示されている施設にあったお面たち)

 

けれど、私はそもそも学校というものにも興味があるのだから、公認で小学校に滞在できる機会なんてないわけだし、時間の許す限りお昼後の掃除とか休み時間の雰囲気とかその後の授業とか、もっと滞在して見学させてもらうのだった。それはかなりの心残り。若いとはいえ講師として伺っているからゲスト待遇をしていただいて本当にありがたいのだけれど、ずうずうしくももっと学校にいさせてもらって、対話のあとも子どもたちと話し続けるんでした。

反省。

また行けるといいな。呼んでもらうのを待つなんて、そんな偉そうなことしないで、自分からもアプローチしてみよう。

*1:www.nhk.or.jp

*2:事前には自分の意見を言う子が決して多くない、という話だったので、だったら書いてあるものを発表する方がやりやすいかなと思ったのが理由。ワークシートは担任の先生にお渡しして、対話後の考えでよいので、よかったら書かせてほしいと伝えた。