すごーく、久しぶりに哲学カフェに行きました。
東京にいた頃も、イベント事で呼んでもらって進行役をすることはあっても、カフェで開催されるものに参加者として出かけることはほとんどなくて、しかもこちらに来てからはさらに縁遠くなってしまっていた。
行ったのはこちら。
で、かの有名な「哲学者の小川さん」が進行役をされている。*2
久しぶりに一参加者としての対話の場で、授業中考えてることはあるんだけど発言できない、という人の気持ちについても考える。話聞きながら自分は自分でムクムクと考えるんだけど、進行役が整理したり全体に問いかけていくこととズレだすと、発言なタイミングを失ってしまうのだった。
— おがぢ (@ogadi_ogadi) 2018年11月17日
ここで書いた通りで「悪とはなにか」をテーマにした回は、小川さんの進行でこぎみよくスタートし、常連と思われる参加者の方達を中心にスピーディーに展開していく。ゆっくり考える、とは違うけれど、でもいろんな声を聴きながら自分は自分でムクムクと考える。
これはゆるやかに職業病的な目線になるのだけど、対話を楽しみ、ただただ考えるだけでなくて、参加しながら「場の作りはどうかな?」「不満そうな人はいないかな?」とか「自分だったらどう進行するかな?」みたいなことを考えながら参加してしまう。
初参加の緊張感や常連さんたちの作り出す雰囲気や自分の考えたいことと進行役の人の仕切り方のズレ、それを指摘したくてもタイミングを見計らってるうちに置いてかれてしまう感じ。こういう参加者としてそこにいないと感じないあれこれをちゃんと味わう。
哲学カフェの進行役にできること
もう少し思うことを。
ボカしながら書きます。
とある方がご自身の考える「悪」について少し長めにお話しになった。おそらく常連の方で、話題をご自身に引き付けながら長めに話していて趣旨がとりづらい感じ。進行の方からもやわらかい感じで「手短にお願いしますね!」と釘をさされていた。たくさん話したわりに進行役のまとめはあっさりしたものになってしまう感じのやつ、です。
他方で別の方にはその方のバッググラウンドに関係する専門的な観点からの「悪」についてコメントを求める。その発言が専門用語が混じって難しく、少々長いものになってもそこは比較的自由に話してもらう。
お二人とも常連のようだったし、終始和やかに進んでいたとは思うのだけど、でも、実は真剣に耳を傾けるべきは、前者の方の言葉だったかもしれないと終わってから思い出す。
その人の言葉は不明瞭で自分の人生経験を披露するようなところは多々あったけれど、その人自身から出た言葉だったから。
哲学カフェの進行役で自分が大事したいことの一つは、他の参加者だったら気づかずに通り過ぎてしまったり、時には鬱陶しく思われるかもしれないような発言のなかにある「その人の言いたいこと」を引っ張り上げること。
それと他の参加者だったら「あー、なんかよくわかんないけどすごそうだなー」と思っちゃうような権威っぽい発言に対しても「何「よくわかんないです。専門用語じゃなくて言うとなんですか?」とかズバズバ聞いていくこと。
そんなことかなあと思ったのでした。
お互い名乗らず職業や性別や年齢や学歴を超えて一緒に平等に探究することを目指すんだけど、それはやっぱり難しい。その場にある先入観や雰囲気を打破しやすいのはホストたる進行役が1番適任だろうと思う。
いやまあ別に特別なことはしなくても、ただただ考えていくなかで、それを誰が話したのかは気にせずに、よく話を聴き、気になったことは掘り下げ、よくわからなかったことを素通りしなければいいんだろうけれど。。
妻は何を考えたか
具体例は出ても、”あなたの話”ではない、というのかな。悪について考えるときに自分の外にある悪についてなんだかんだみんな考えていたのかもしれない。
— おがぢ (@ogadi_ogadi) 2018年11月17日
このあたりの言葉の感覚はさすが、という感じがする。具体例は出ていても、決して具体的な対話にはならず、上滑りしてしまうことはある。
もちろん、哲学(をする)カフェで、その場で話されていることが具体的かどうか=自分ごとかどうか、を重視するかどうかは立場の違いかもしれない。「悪とは何か?」という問いを考え抜ければそれでよいのかもしれないけれど、妻にとっては(私にとっても)それじゃあ物足りないところがあるのだ。
周南・徳山はいいところだ
終わった後徳山駅周辺を散策。失礼ながら適度に寂れながらも美味しそうなお店もあって、楽しい。宇部も負けたくないけど徳山は新幹線駅なのだ。
そして新幹線駅には、ピカピカの市立図書館が併設されている。
しかもここ、蔦屋書店とスタバと区切りがないような空間デザインになっていて、コーヒーを飲む、本を買う、本を読む、本を借りるが連続してできるようになっている。昨日はたまたま松本零士トークショーをやっていたりして、いろいろ活発な感じ。なかなかすごい。
滞在して見つけた本(買ってはいない。)
入門・子ども社会学: 子どもと社会・子どもと文化 (MINERVA TEXT LIBRARY)
- 作者: 南本長穂,山田浩之
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2015/04/20
- メディア: 単行本
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これは妻が読んでいた本。
学校へ行く意味・休む意味: 不登校ってなんだろう? (どう考える?ニッポンの教育問題シリーズ)
- 作者: 滝川一廣
- 出版社/メーカー: 日本図書センター
- 発売日: 2012/11/09
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でも改めて調べてみたら、この徳山駅前の蔦屋書店&市立図書館をめぐっては、一悶着あったらしい。
基本的には計画の見直しを求める人たちによって、住民投票が請求される。
↓
でも議会で、住民投票条例制定案は否決されてしまう。
↓
そして今年2月にオープン。
昨日見た限りだと若者もいて、学生が勉強していて、高齢の方も新聞読んでて、すごく多くの人が行き交っている。その点では成功なのかもしれないけれど、決定までのプロセスや民間委託、公費投入、図書館の公的機能などなど、もっと勉強してみないとなんとも言えない感じもする*3。
もう少し早く知っていれば、「現代社会」の授業で取り上げたらよかった。
帰りに見た工場夜景は大変すばらしかった
(ちょっとこの画像は編集がかかりすぎていて、微妙だ。。)
ブログのタイトルを変えました
ずっと(仮)をつけていたので、思い立って。
特に「発狂」という言葉に思い入れはないのだけど。
末長く続きますように。